大切な企業データをどのような方法でバックアップされているでしょうか?
「そのバックアップで大丈夫?」
バックアップがなぜ必要なのか、またバックアップを行う際に必要な考え方や注意点、方法などをまとめた資料をご紹介します。
4. バックアップの方法適切なバックアップを行う際のルールとして、3-2-1ルール(「3」つ以上のデータのコピーを、「2」つ以上の異なる媒体に保存し、「1」つのバックアップは遠隔地に保管するというルール)があります。
今回は、3-2-1ルールの「2つ以上の異なる媒体」の部分、バックアップに使用する媒体についてご説明します。
バックアップに使用する媒体は様々なものがありますが、その中の「磁気テープ」は、ご存じでしょうか?
記憶媒体と言えば、主にPCにも内蔵されているSSDやHDD、持ち運ぶならUSBフラッシュメモリやSDカードなどがあげられます。
磁気テープストレージは普段使用されているのをあまり見ません。
かつては、音楽用のカセットテープや、映像用のビデオテープとして身近な存在だった磁気テープ。
音楽用、映像用としてはすっかり見なくなりましたが、バックアップ用の記憶媒体としては、実は今でもなくてはならない存在です。
2011年にGoogleが提供するメールサービス「Gmail」で障害が発生し、一部のメールデータが消失するインシデントが起きました。
原因はストレージのソフトウェア・アップデートにあったバグによるものでしたが、Googleは直ちにソフトウェアのバージョンを元のものに戻し、バックアップデータを使用して全てのデータを復旧させることができました。
この原因となったバグは、オンラインに保存していた一次バックアップデータも同時に消失する深刻なバグでしたが、Googleはオフラインでのバックアップもあわせて行っていたためデータの消失被害を免れました。
そのオフラインでのバックアップに使用していたのが磁気テープストレージです。
参考:O'Reilly Media出版「SRE サイトリライアビリティエンジニアリング」磁気テープはLTO(リニア・テープ・オープン)という規格が世界標準と言われていますが、この規格が誕生した2000年頃は銀行や研究所など一部でしか使われていませんでした。
ですが、磁気テープストレージはデータの書き換えを制限でき、データへのアクセス方法が特殊なため、ランサムウェアなどのサイバー攻撃や、今回のようなデータが消えてしまうバグにも有効とされています。
その他にも、読み書きの際にしか電力を消費せず経済的で、ハードディスクと比べるとエラー発生率が1/10000と大幅に少なく、故障も少ないため長期データ保持に優れていると言われています。
バックアップ用の記録媒体として見直されているのです。
一方、
資料にも説明がありますが、ランダムアクセスができないため必要なデータを探すには時間がかかります。
大容量データの保存が可能ですが、テープの本数が増えてくると管理の手間がかかるといったデメリットもあります。
重要なのは「3-2-1ルール」にもある通り、2つ以上の異なる媒体に保存することです。
扱いやすいクラウドやNASへの保存とあわせて、磁気テープへの保存も選択すると、より強固なバックアップになるでしょう。
NIKKO
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